学会長あいさつ
澱粉を始めとする各種糖質の科学及び関連する酵素
科学の進歩を図り、科学、技術、並びに関連産業のさらなる発展を目指して
会長 西 尾 俊 幸
日本大学 生物資源化学部 教授
会長(2021年9月〜2023年9月)を仰せつかっているおります西尾でございます。
日本応用糖質科学会は、澱粉を始めとする各種糖質の科学および関連する酵素の科学の進歩を図り、科学、技術および関連産業の発展に寄与することを目的に、1952年に「澱粉工業会」として設立されました。その後、1972年に「日本澱粉学会」に、また、1993年に「日本応用糖質科学会」と改称し、さらに、2015年7月には「一般社団法人 日本応用糖質科学会」として新たにスタートし現在に至っており、今年で69周年を迎えました。発足当時から、企業、大学、公的研究機関等に所属する幅広い研究者、技術者との密接な協力のもとに、基礎だけでなく実用面からも学術的な研究活動を続けています。本会の設立当初から今日に至るまで、学会の発展のために献身的にその活動を支えて下さいました歴代会長や役員そして会員の皆様に改めて感謝申し上げます。
2020年の春から世界規模で流行し始めた新型コロナウイルス感染症拡大が、2021年の秋となっても未だ収まらず、その間、生活、仕事、経済、教育、医療、そして文化までもが大きな影響を受けました。このような状況の中で、本学会では2020年度と2021年度の年次大会を対面で開催することができず、それぞれ開催地の長野と札幌を拠点として全面的にオンラインでの開催となりました。両大会の実行委員会の委員長・委員の皆様には、オンライン大会の開催を計画・実行され、本学会の年次大会を途切らすことなく継続していただいたことに大変感謝しております。そして、コロナ禍にあって研究活動に制限がかかった中でも、大学、企業、法人研究機関から多くの一般講演の申し込みがあったことに関して、改めて本学会のポテンシャルの高さを認識させられました。「止まない雨は無い、明けない夜は無い」の言葉を信じ、新型コロナウイルス感染症がインフルエンザのような一般的な流行性感冒となり、コロナ禍以前の日常生活が早く戻ってくることを願っております。
2022年度の年次大会は、本学会の70周年記念大会となります。「糖質」という1分野を対象にした学術組織が70年もの間存続し、そして今も発展し続けているということは、偉大なことだと思います。本学会を立ち上げ、今日まで繋ぎ発展させてくださいました先生がたに改めて敬意を表します。来年の70周年記念大会が対面で開催でき、暫くぶりに会員の皆様の話し声と笑い声が会場に飛び交うようになることを切に願っております。本学会が、これから100周年に向かってさらに発展するためには、若い世代の多くの人に学会に入会してもらい、活躍してもらうことが必要です。各支部が行っているシンポジウム開催などの活動を通じ、本学会の魅力を発信して、多くの方に興味を持っていただけるようにして行ければと思っております。
本学会の2つの学会誌は糖質科学分野の発展、社会への貢献のために重要な役割を担っております。このうち、和文誌の「応用糖質科学」は糖質の科学と応用に関する様々な最新の情報を会員の皆様や社会に発信するための役割を担い、また、英文誌の「Journal of Applied Glycoscience」はこれらの情報を広く世界に発信する役割を担っております。英文誌については、国際誌の仲間入りをするのも間近であります。会員の皆様の今後益々の積極的な論文投稿をよろしくお願いいたします。
役員一同、会員の皆様と共に、学会発展のために諸活動を進めて参ります。ご支援ご協力を宜しくお願い申し上げます。