私たちに最も身近な食品成分である澱粉について、その特徴を見てみましょう。米粒や小麦粉の主成分は澱粉であり、粒構造です。その種類と形を表に示します。平均粒径を見ると、コメが最も小さく、ジャガイモが最も大きいです。
表 各種澱粉の平均粒径と形態
種類 | 平均粒径(μm) | 形状 |
コメ コムギ トウモロコシ サツマイモ タピオカ サゴ ジャガイモ |
6 21 14 20 20 35 40 |
多角形 球形(小粒)、凸レンズ形(大粒) 多角形、球形 卵型 多角形、釣鐘型 卵型、釣鐘型 卵型(小・中粒)、球型(大粒) |
現在、澱粉を構成しているブドウ糖の連結の枝分れといった細かい部分までを解析する技術はほぼ確立されていますが、植物毎に異なる澱粉のかたちがどのように作られるかは、未知の分野です。科学技術が急速に進歩し、極微細な部分を解明できても、大きくとらえることは非常に難しいです。
参考文献
二国二郎, 澱粉化学ハンドブック, 朝倉書店, 1977, p299-410
久保田・森光, 食品学, 東京化学同人, 2016, p37
三重大学大学院生物資源学研究科
三島 隆