「太る」「血糖値を上げる」等の理由で糖質は敬遠されがちですが、健康維持のためには適正な糖質の摂取が必要です。そのような中で、生体調節機能の高い素材として難消化性澱粉が期待されています。難消化性澱粉あるいはレジスタントスターチ(RS)は、「健常な人の小腸で消化吸収されない澱粉および澱粉分解産物の総計」と定義されています。RSは食物繊維の一種であり、整腸効果、食後血糖値上昇の抑制、血中コレステロール濃度の低下等の機能に加えて、満腹感の持続、プレバイオティクス機能、大腸がんリスク低減等の効果を発揮することが認められています。
RSはその生成要因の特徴によって表のような5タイプに分類されます。RS自体には色や味はありませんが、硬くなりやすくパサパサする性質があります。よりおいしく健康的に摂取できるようにするために、RS含量を高める育種や加工方法の開発、物性を改善するための研究が続けられています。
表1 難消化性澱粉の分類
参考文献
1) 松木順子、難消化性澱粉、応用糖質科学 8、237(2018)
2) 後藤勝、 レジスタントスターチの開発、日本家政学会誌 65、197-202(2014)
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
松木 順子