糖質面白話

文学に出てくる糖質関連酵素

 文豪夏目漱石のデビュー作「吾輩は猫である」の中で、吾輩の住みついた家の主である苦沙弥先生が「タカジヤスターゼ」なる消化剤を服用する場面が何度か出てきます。この「タカジヤスターゼ」は明治時代の科学者・実業家である高峰譲吉博士が1895年に米国において世界で初めて商業化した酵素製剤であるタカジアスターゼ[タカヂアスターゼ(商標名)]のことです。これは、麹菌により製造された澱粉分解酵素を主成分とする酵素製剤で、薬として使用されているものです。
 ジアスターゼとはアミラーゼ(澱粉分解酵素)の古い呼び方です。タカジアスターゼは発売開始から120年以上経過した現在でも消化酵素製剤として製造されています。

写真 金沢市丸の内5-16にある旧高峰家

 

参考文献
 NPO法人 高峰譲吉博士研究会 http://www.npo-takamine.org/index.html

 

新潟大学農学部
北岡 本光

酵素