糖質面白話

酵素の種類

 酵素は触媒する反応の種類により国際生化学分子生物学連合酵素委員会により分類されEC番号(酵素番号)が与えられています。酵素番号は、EC の後に 4つの番号がピリオドで区分されたEC x.x.x.xのような形で表記されます。

 一つ目の数字は反応の種類を示し、EC 1.x.x.x、EC 2.x.x.x, EC 3.x.x.x., EC 4.x.x.x、EC 5.x.x.x、EC 6.x.x.x、EC 7.x.x.xはそれぞれ酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素、合成酵素、トランスロカーゼを意味します(EC 7.x.x.xは2018年に定義された新しい分類)。2つ目以降の数字はその下位概念であり、3つ目の数字までで酵素の反応の種類が定義され、最後の数字はその定義に当てはまる反応を示す酵素として割り当てられます。例えば、糖加水分解酵素であるグリコシダーゼはEC 3.2.1.xとなります。この場合、2つ目の”2”はグリコシダーゼ、3つ目の”1”はO-またはS-グリコシド分解酵素を意味します。新規な酵素を発見したときは、論文発表後に酵素委員会に申請して承認後に新規なEC番号が付与されます。

 澱粉糖化工業で重要な酵素の酵素番号は以下の通りです。

αアミラーゼ EC 3.2.1.1
βアミラーゼ EC 3.2.1.2
グルコアミラーゼ EC 3.2.1.3
イソアミラーゼ EC 3.2.1.68
プルラナーゼ EC 3.2.1.41
キシロース(グルコース)イソメラーゼ EC 5.3.1.5
シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ EC 2.4.1.19

 

参考文献
 Enzyme Nomenclature  https://www.qmul.ac.uk/sbcs/iubmb/enzyme/

新潟大学農学部
北岡 本光

酵素