L-アラビノースは植物細胞壁の構成糖の一つであるペントースです。味質は砂糖に近い良質な甘味を示し、甘味度は砂糖の60%程度です。一例として、トウモロコシからコーンスターチを分離した際の副産物である種皮から抽出し、高純度化することによってL-アラビノースの結晶が得られます(下図)。L-アラビノースは食品添加物であり、菓子、飲料、健康食品、特定保健用食品などに使用されています。
L-アラビノースの最大の特徴は、砂糖摂取による血糖値上昇を抑制することです。砂糖に対してわずか3~4%添加するだけで、血糖値上昇を40%程度抑えることができます。さらにその効果は2時間以上持続しますので、お昼ご飯の際にL-アラビノースを摂取することで血糖値上昇を抑えるだけでなく、3時のおやつの血糖値上昇も抑えるといった使い方ができるかもしれません。
参考文献
・柴沼清ら 「血糖値上昇抑制効果を有する機能性糖質L-アラビノースの生理機能研究と工業生産技術の開発」応用糖質科学 (2011) 1: 65-69.
三和澱粉工業株式会社 研究開発部 砂子 道弘